phobbies’s journal

読書好きです。深い思考が欲しいです。考えをまとめたいです。

【小説】アヒルと鴨のコインロッカー 伊坂 幸太郎

伊坂幸太郎は僕のお気に入りの作家の一人。この「アヒルと鴨のコインロッカー」は、「重力ピエロ」と「グラスホッパー」についで、僕が好きな作品だ。様々な問題が提起されていて、とても考えさせられることが多かった。また、物語の後半では予想を裏切られる展開もあり、ストーリー性もとても良かった。

今回は三つほど、印象に残ったことを書いていきたい。

 

一つ目は、ブータンにある「死んでも生まれ変わるだけだって」という思想。この楽観的過ぎると思われるこの思想は、意外と重要なことなのかもしれない。「死んでも生まれ変わるだけ」という考えを持つことによって、意識が保守的じゃなく積極的になれるし、周りに気を使うことができる。それ以外にも様々なメリットがあると思う。でも、「死んでも生まれ変わる」と言われて、信じることができる人はいないと思う。その言葉を進行するには、それなりの根拠がいると思う。僕も根拠がないことは基本的には信じることができないタチだ。でも、これに対する根拠を僕はあげられない。だから、これはたまに思い出す程度の言葉として、覚えておくのがいいと思う。(他人に優しくしたいときなどに一時的にこの言葉を信じる。そうすると気が楽になる)

 

二つ目は、ドルジが河崎という偽名を使って、日本人であると偽っていたことだ。これは、日本人が外国人に対する排他的な意識を持っているということの表れだ。もちろんこれは物語上の話だけれど、現実として、まだまだ日本人は外国人を受け入れていない感が残っていると思う。僕個人の意見として、日本人は白人よりも黒人に対して差別意識があると思う。僕はインターに行っていた経験があるが、その時は何の差別もなく暮らせていた。社会全体がそのような環境になるように尽力していきたい。(何をするという具体的なことはまだ決まっていないが)

 

最後は、動物虐待だ。この物語でも、動物虐待の悲惨さは十分に伝わると思う。動物虐待の現状はよく分からないが、僕には、動物を痛めつけて快感を得ている人の気持ちが本当にわからない。何がどうなってそういう思考回路になるのか逆に興味があるくらいだ。批判をしようと思えばいくらでも出てくるが、この辺にしておく。この物語では、ペットについてもいろいろな場面で触れていて、ペットを欲しくなった。一人暮らしになったら、一匹おとなしい犬を飼うのもいいかもしれない。

 

これまで、僕の印象に残ったことを少し掘り下げて書いてきたが、この物語は起承転結がしっかりしていて、すっきりと終わりを迎えられた。また、ページ数もそこまで多くないのでさくっと読める。今回で二回目だが、今後気が向いたらまた読んでみたい。